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2005/05/11

アル=カーイム攻撃続行中

4月に「大規模な攻撃が行なわれている」と報じられた、シリアとの国境の町、アル=カーイム(アル=カイム、Al-Qaim:記事1記事2)ですが、先週土曜日からまた、大規模な軍事作戦が行なわれています。ガーディアン掲載記事。

US continues Iraq border offensive
Agencies
Tuesday May 10, 2005
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1480752,00.html
※以下は関係のある箇所のみ、概要。

攻撃ヘリや戦闘機に支援された米軍が、イラク西部、シリアとの国境近くの一帯を、今日もまた掃討した。国境の都市、カーイム(バグダードの西方200キロ)で先週土曜日に始まった「闘牛士作戦(Operation Matador)」は、アブ・ムサブ・アル=ザルカウィを狙ったもので、これまでに最高で100人の民兵を殺したと米軍は報告している。

今回の攻撃は、この半年でイラクにおいて米軍が行なった攻撃でも最大のもののひとつであり、アル=カーイダ・イン・イラクのリーダーであるザルカウィの追随者を標的としている。米軍高官らによると、この攻撃で米兵少なくとも3人が死亡、また米軍にエンベッドしているLAタイムズ記者によると、米兵20名が負傷している。

*この後しばらく、カーイム攻撃とは関係のない話が続き……*

本日のNYタイムズの報道では、米空軍F-15Eストライクイーグル戦闘機が、日曜、カーイム周辺の反乱者たちに対し、レーザー誘導500ポンド爆弾2つを投下、また20ミリ砲弾を510発発射し、海兵隊のF/A-18戦闘機が20ミリ砲弾を319発発射している。

海兵隊第2ディヴィジョンの作戦チーフ、Colonel Bob Chaseは、同紙に次のようにかたった。「敵は安心だと思っていたのだ。あそこは安全な隠れ家だった。元バアス党員も多い地域だ。しかしもはや安全な隠れ家などではなくなったし、二度とそうなることもない。」彼は、反乱者は不法な「ラット・ライン(rat lines)」のネットワークを有していて、シリアからイランへ運び込まれる物資があり、それは止められなければならないと述べた。

*この後、the southern side of the Euphrates(ユーフラテスの南側)のいくつかの町や村についての記述がありますが、割愛。(Obeidi, Sabah and Karabilahの名前があります。)


いけだ

英ガーディアン論説:「任務完了、英軍は撤退を」

任務完了
The job is done
Jonathan Steele
Monday May 9, 2005
The Guardian
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/
0,2763,1479619,00.html

イラク自身の警察と軍が安全を保証することができるようになるまで、英軍はイラクを去ることはできない、そうトニー・ブレアは言い張っている。むろんこれはジョージ・ブッシュが15万近い米兵をイラクに留まらせることに理由付けするために用いているのと同じ理屈である。

イラクで起きている暴力の多くが占領に対して向けられているものなのだから、外国の軍隊を撤退させればほぼ間違いなくイラクの治安は向上するだろうという事実があるのだが、それは脇に置いておこう。占領がなくなれば反乱は劇的に下降線をたどるだろう。

ここではブレアの立場を額面どおりに受け取ってみよう。ブレアは気づいていないのだろうか、英軍が拠点を置いているバスラをはじめとする南東部の2つの県では、反乱はほとんど存在しさえしないということに。先週アマラでまた英兵がひとり死亡したことは事実だが、アマラは伝統的に難しい街だ。一方でバスラでは何ヶ月も静かな状態が続いている。自爆者はまったく姿を見せない。英軍に対する攻撃はまれで、致命傷を負うこととなるとさらにまれである。1月の選挙の当日にも、ほとんどまったく暴力は発生しなかった。

理由はさまざまだが、大きなものとしては、バスラをコントロールしているシーア派の政治集団が長期的視野を持っているということだ。バグダードのイラク新政府のバックボーンを形成しているのは彼らであり、彼らはイラクの政治の現在の流れについて特に不満を抱いていない。彼らはイスラミストではあるが、バスラに対して彼らがつけている保守的との刻印に、英軍は反対していない。

占領に強く反対し、占領に対して武器を取ったムクタダ・アル=サドル周辺の急進派のシーア派は、バスラでは、バグダードや聖都ナジャフほどには活発ではない。またナジャフからバグダードはバスラからバグダードよりも近い。

したがって、状況を説明する特別な要素はいくつかあるのだが、つまるところは、イラクの南東部は語るべき本当の反乱などまったく存在していないのである。ならば何故、英軍が必要とされているのか? 彼らが抑えているとされる脅威、イラク人が自分たちでは手に負えないとされる脅威とは一体何なのか? そんなものは存在しない。「途中で投げ出すことはできない」という決まりきった言いぐさは忘れ、「任務を完了させる必要」とやらについてのレトリックを断ち切ってみれば、英軍はすぐに撤退できるはずだ。そしてイラクの南東部の人々も、英国の人々も、それを後悔しないだろう。

ブッシュは面白くないだろうが、米国の大統領にとっては、一度は強固な同盟国だった国が考えを変えて軍を撤退させることにしたのだということを受け入れなければならなかったことが、これまでにもある。スペイン、オランダ、ポーランドがそうだった。自国の有権者たちのプレッシャーによって、軍を撤退させた。

ブレアも同じことをして当然である。私たちはイラクにデモクラシーをもたらそうとしているのだなどと、どうすれば私たちは言うことができるだろうか、と、ブレアはホワイトハウスに告げなければならない。自分たちの国でデモクラシーが認識されないのに、と。総選挙の10日前、NOPの行なった世論調査では、英国人の6割が年内に英軍の撤退を望んでいることが示された。先週の選挙で労働党の国会のマジョリティは激減し、その見解をさらに裏付けた。

ほとんどの英国人はイラクからの撤退を望んでいるのだということを受け入れ、ブッシュに対しては私たちはアメリカと連帯するためだけにイラクに残ることはできないのだと告げることによって、ブレアはこの2年半の間に失った信頼を回復する長い旅路を踏み出すことができる。それでも、首相としての彼に対するイラクの影響を完全に消すことはなかろう(そんなことができるものは何もない)。けれども少なくとも、そうすれば彼は自分のイラク政策がいかに支持を得ていないものであったかを理解しているということを示すことにはなる。

ブレアはイラクについて自分が間違っていたと認めることは決してないだろう。ましてや嘘をついていたなどとは絶対に認めないだろう。けれども彼の政策を英国人の大多数の考えに合ったものにすることで、傲慢さという汚い染みのいくらかは、払拭されるであろう。

イラクはブレアにとって、スローモーションのスエズのようなものであった。1956年のイーデンと同じく、ブレアは英国を誤った戦争(war in error)に導いた。しかしイーデンが失策の3ヵ月後には辞任を余儀なくされた一方で、ブレアはあと4~5年を勤めることになる。イーデンを失脚させたのは戦争が支持されなかったことではなかったのだから、イーデンにとってはこれはますます屈辱的な話だ。ガーディアンとオブザーヴァーはスエズ戦争に反対していたが、英国人のほとんどはあの侵略を支持していた。イーデンを終わらせたのは米国の反対だった。アイゼンハワーがエジプト侵略に反対の立場をとったとき、イーデンは責任を負う以外に選択の余地がなかったのだ。

ブレアの状況はそれとは異なる。戦争は、始まる前から、多数の賛成を得てなどいなかったし、侵略が行なわれていた数週間を別として、そのような支持は一切ないのである。

究極的には、これは勇気の問題だ。英国で支持されていない戦争について、米国の側に立っていることはできないのだとブッシュに告げるだけの度胸が、ブレアにはあるのか? 英軍がバスラで占領を始めて2年以上にもなる。彼らの任務は完了している。彼らは今、撤退して当然なのだ。


いけだ
2005-05-10 04:20:19

BBC記事:日本人、イラクで拘束  Japanese national seized in Iraq

日本語のニュースポータルの記事:
讀賣産経時事共同。共同が「拘束か」という表現で10日2時49分の記事。時事が3時1分、産経は3時3分、讀賣は3時9分。いずれも「~との声明」という記事。

讀賣記事より、ディテール:
 ウェブ上に添付されていた、拉致したとする日本人の旅券は、「サイトウ・アキヒコ」名。生年月日は1961年1月5日で、本籍は東京都、旅券発行日は1996年9月3日で有効期限は10年間だった。署名は、「齋籐昭彦」と書かれているように見える。
 また、旅券以外にも、米軍バスラ空軍基地が発行した武器携行許可証や、米国防総省が請け負い業者向けに発行している身分証明書など複数の証明書の写真が掲載された。


共同通信記事キャプチャ:


BBC記事:
日本語の記事より時間的に15分くらいあとのもの。町村外相が共同通信に対し、「イラクで日本人が拉致されたことをコンファームした」と書かれています。
Japanese national seized in Iraq
Last Updated: Monday, 9 May, 2005, 18:23 GMT 19:23 UK
(日本時間はGMT+9なので、 日本時間10日午前3時23分)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4530895.stm

以下、バイリンガルにします。日本語はパラグラフごとの要旨。

Islamic militants say they have seized a Japanese man working for a security firm in Iraq and have posted pictures of his identity card on a website.
イスラム武装勢力が発表したところによると、イラクのセキュリティ会社に勤める日本人を拘束し、ウェブサイトにその人のIDカードの写真を掲示した。

They said the man was injured when they ambushed a convoy of contractors, reportedly killing four other contractors and their 12 Iraqi guards.
彼らは、その人物は彼らが請負業者の車列を襲撃したときに怪我をしたとしている。その襲撃ではこの人物のほかの請負業者4人と、イラク人警備員12人が死亡したと伝えられている。

The Army of Ansar al-Sunna group has released videos of attacks on Iraqi government forces in the past.
アンサール・アル=スンナ軍は、過去におけるイラク政府軍への攻撃のビデオを公表している。

Japan confirmed that one of its citizens had been abducted in Iraq.
日本は、その国民のひとりがイラクで拉致されていることをコンファームしている。

Foreign Minister Nobutaka Machimura said a Japanese employee "of a foreign security firm" had been kidnapped, Japanese news agency Kyodo reports.
町村外相は、「外国のセキュリティ企業の」日本国籍の社員が拉致されたと述べた、と共同通信は報じている。

'All but one killed'
「ひとりを除いて全員殺された」

In their posting, the militants said they had killed everyone in the convoy except the Japanese man, and listed the dead as four other foreign contractors and 12 members of the Iraqi security forces.
ウェブへのアップロードで武装勢力は、襲撃した車列の人間はこの日本人男性以外は全員殺したと述べ、死者は4人の外国人請負業者とイラク治安軍12人であると述べた。

According to the unconfirmed claim, they attacked the convoy near the town of Hit, 175km west of Baghdad in a mainly Sunni Muslim region.
まだ裏が取れていないこの主張によれば、彼らはヒットの町の近くで車列を襲撃した。ヒットはバグダードの西175キロで、スンニ派ムスリムが多い。

Their captive, they said, was "badly injured" and they promised to release video of him, according to Reuters news agency.
ロイターによれば、彼らが言うには、囚われた人は「ひどく怪我をして」おり、彼らはその人物のビデオを発表すると約束している。

Al-Ansar has claimed numerous attacks in the past, including the Mosul suicide bombing which killed 19 US soldiers in December.
アル=アンサールは過去において数え切れないほどの攻撃を行ったとの声明を出してきた。その中には12月に米兵19人を殺したモスルでの自爆も含まれている。

The group is also believed to have killed a number of foreign hostages.
このグループはまた、多くの外国人人質を殺してきたと考えられている。

Japan has about 550 troops deployed in Iraq as part of the US-led multinational forces. In October, an Islamic militant group beheaded Japanese backpacker Shosei Koda, who was abducted while visiting Baghdad.
日本は、米国主導の多国籍軍の一部として、およそ550の兵員をイラクに送っている。10月にはイスラム武装集団が、バグダードを訪れていた際に拉致された日本人旅行者の香田証生さんを斬首した。

end of the file


あと、一応、この件についての日本語記事が出てたときのYahooトピックスの画面キャプチャ。トップ記事は日付の古い「ザルカウィ側近拘束」になっている。(画像はクリックで原寸表示)


いけだ
2005-05-10 04:18:21