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2005/08/08

難民はどこに避難の地を求めるのか?

 
パレスチナとイラク。不法占領下にある二つの場所と人々。

難民はどこに避難の地を求めるのか?
ジャン・ベンヴィ
2005年8月8日
Electronic Iraq 原文

中東全土で、そして実際世界中で、パレスチナ人難民に出会う。推定650万人ののぼる彼ら彼女らは世界最大の難民グループである。ここイラクでは、パレスチナ人の波瀾にみちた歴史にもう一つの悲劇的な章が付け加えられつつある。多くの人々にとって、難民生活が始まったのは1948年、当時英国の委任統治領だったパレスチナの大部分にイスラエル国家が作られたときである。1967年、残されたパレスチナの地をイスラエルが占拠したとき、さらなる難民の波が発生した。

難民として、パレスチナ人は、住んでいる国々の政治的変動の影響を受けやすい。1970年の大混乱で、多くのパレスチナ人がヨルダンから追放された。レバノン内戦でも辛酸を舐めた。その中には、ときに忘れられがちな、1982年のサブラ=シャティーラ・キャンプでの虐殺もある。1991年の湾岸戦争のあと、アラファトが破滅的にもサダムを支持したため、多くのパレスチナ人がクウェートをはじめとする湾岸諸国から追放された。

そして今、イラクで、パレスチナ人は再び、自ら望んでいないのに紛争の犠牲者となっている。彼ら彼女らの立場は極めて脆弱である。1948年にイラクに来た人々はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)に登録しなかった。近隣諸国とは違って、イラク政府は難民に手を差しのべると述べたが、実際にはほとんど援助しなかった。2003年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、国連の支援を受けることができるよう、パレスチナ人を登録し始めた。けれども、国連本部が爆破され、その後職員のほとんどが撤退したため、活動は停止した。

パレスチナ人たちは居住権を持ってはいるが、イラクで生まれた人々さえ市民権を得ていない。パスポートを得ることはできず、かわりに旅行証明書を交付されるが、他国への旅行は制限されるとパレスチナ人は言う。不動産の所有を禁じられているため、政府から家を提供されるか、イラク政府の補助金を受けた民間の貸家に住む。過去10年間、戦争と経済制裁のために、家主に政府が支払う賃貸料は凍結され、それによりわき起こった怒りはパレスチナ人に向けられた。同様に、サダム・フセインがパレスチナの大義を皮肉なかたちで利用して、イラクが経済的に困難な状況にあったときに、被占領地のパレスチナ人に金を送ることでアラブ世界で人気を高めようとしたため、怒りを大きくした。

2003年米国がイラクを侵略してサダム政権が倒れたことで、沸々と沸いていた怒りは沸騰した。家主たちは何百ものパレスチナ人家族を追い出したため、その多くはバグダードのバラディヤート難民キャンプに逃れた。私たちは、以前はからっぽの泥っぽい運動場だった「テント・キャンプ」の地を訪問した。住人はすでにぎっしり人が詰まったキャンプの建物で家族や友人と住んでいた。私たちはいくつかの家族と話をした。人々は、何度も言葉での攻撃や身体的な攻撃を被っているので、キャンプから外に出るのは怖いとかたった。以前は、彼ら彼女らは6カ月ごとに居住ビザを更新しなくてはならなかったが、今では、一人一人、毎月更新しなくてはならない。最近3人の息子を逮捕されたある家族は、自分たちも逮捕されるかも知れないので、イラクの関係省庁に逮捕された子どもたちについて問い合わせるのが怖いと述べた。人々はまた、イラク特殊部隊がしょっちゅうキャンプに侵入捜査をかけると述べた。

腹を立て状況に悩むイラクの人々にとって、パレスチナ人は簡単な標的となる。多くのイラク人が、罪のない多くの市民(とりわけ子ども)の死をもたらしたのがイラク人だと認めたがらない。そして、世界の歴史では、とてもしばしば、「外国人」を非難するほうが簡単である。

イラク政府にとって、パレスチナ人を逮捕することで、外国から来たゲリラと自分たちが主張する相手に対する戦いで前進していると示すことができる。

パレスチナ人にとって将来は厳しい。これらの難民はどこに避難場所を求めればよいのだろうか?

CPTイラクをはじめとするCPTのプロジェクトへクレジット・カードでの募金を。リンク先の「DONATE」ボタンをクリックしてNetwork for Goodを通して募金をお願いします。CPTを支援する安全な方法です。

クリスチャン平和構築チームは全教会が参加する暴力削減プログラムで、歴史的な平和教会を起源とする。訓練を受けたチームのワーカが世界中の紛争地域に住んでいる。CPTは2002年10月以来イラクにいる。CPTについてのさらなる情報はhttp://www.cpt.orgを参照。CPTプロジェクトの写真はhttp://www.cpt.org/gallery



投稿者:益岡